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遑
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ひま
ふりがな文庫
“
遑
(
ひま
)” の例文
呀
(
あ
)
ッと一同が首をすくめる
遑
(
ひま
)
もあらばこそ、機関銃がパッと空中に
跳
(
は
)
ねあがり、
天井
(
てんじょう
)
に穴をあけると、どこかに見えなくなりました。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いや、そんなことは、伊織に考えている
遑
(
ひま
)
はない。彼はただ、ぎょっとして、ばばが自分をどうする気かと恐れていた。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春雨に濡れた着物は、更に娘の血潮に汚れますが、與三郎はもうそんな事など、考へてゐる
遑
(
ひま
)
も無かつたやうです。
銭形平次捕物控:285 隠れん坊
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
博士
(
はかせ
)
は
片手
(
かたて
)
で
眼鏡
(
めがね
)
を
持
(
も
)
つて、
片手
(
かたて
)
を
帽子
(
ばうし
)
にかけたまゝ
烈
(
はげ
)
しく、
急
(
きふ
)
に、
殆
(
ほと
)
んど
数
(
かぞ
)
へる
遑
(
ひま
)
がないほど
靴
(
くつ
)
のうらで
虚空
(
こくう
)
を
踏
(
ふ
)
むだ、
橋
(
はし
)
ががた/\と
動
(
うご
)
いて
鳴
(
な
)
つた。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ちょうどその時女房が病気になった。七郎は看病をしなくてはならないので仕事にいく
遑
(
ひま
)
がなかった。十日あまりして女房の体が急に変って死んでしまった。
田七郎
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
▼ もっと見る
「オイ給仕、この騒ぎのなかで、新聞なんか読んでいちゃいけないじゃないか。そんな
遑
(
ひま
)
があったら、壊れた壁を一つでも取りのけるがいい」
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「戸塚から問屋場の駕籠に乘つて品川まで通し、品川から駕籠を換へて、佐久間町の相模屋まで乘りつけたんですもの、口を利く
遑
(
ひま
)
なんかありやしません」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉢前の雨戸は不意に啓きて、人は
面
(
おもて
)
を
露
(
あら
)
わせり。白糸あなやと飛び
退
(
すさ
)
る
遑
(
ひま
)
もなく
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしこれは発見されたというばかりで、発見者が火中から取出そうとして長い木片を探しに行った
遑
(
ひま
)
に、どこかへ行って見えなくなってしまった。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
皆んな居流れて
屠蘇
(
とそ
)
を祝ひ、下女のお民はお勝手と座敷の間を、道具を運んだり、屠蘇を運んだり、雜煮の支度をしたり、一寸の
遑
(
ひま
)
もなく驅けて歩いて居た筈だ
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは多分、六本持つて來た矢のうち、二本は放つ
遑
(
ひま
)
がなく、弓とともに
橋架
(
はしげた
)
の下に隱したものでせう。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、考えている
遑
(
ひま
)
に、そのサイレンはどんどんこっちへ近づいて来た。紛れもなく出火らしい。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そんなことを云う
遑
(
ひま
)
があったら、なぜ貴方がたはもっと大局に目を
濺
(
そそ
)
がないのです。貴方がたの不注意で、いま国家のために懸けがえのない人造人間研究家が殺害されたのです。
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
遑
漢検1級
部首:⾡
13画
“遑”を含む語句
遑無
不遑枚挙
彷遑
片遑
遑々