連環れんかん)” の例文
すべて、後醍醐という不世出の恒星こうせいをめぐる一群の衛星が早くからあって、彼もまた、その連環れんかん中の一衛星であった者といっていい。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もっと困難を極めたのは、例の連環れんかんの計によって、大船と大船、大艦と大艦は、ほとんどみな連鎖交縛れんさこうばくしていたことである。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自身中軍から埠頭ふとうへ出ると、諸将を呼んで、多くの鍛冶かじをあつめ、連環れんかんくさり、大釘など、夜を日についで無数につくらせた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一見、狂人に似、風采もあがらない男ですが、その大才たる証拠には、かの赤壁の戦前に、周瑜に教えて、連環れんかんの計をすすめ、一夜にあの大功を
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱地錦あかじにしきの百花戦袍かせんぽうを着たうえに、連環れんかんよろいを着かさね、髪は三叉さんしゃつかね、紫金冠しきんかんをいただき、獅子皮ししひの帯に弓箭きゅうせんをかけ、手に大きな方天戟ほうてんげきをひっさげて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いたる所の門徒一揆を破りながら、佐々木六角と浅井長政との連環れんかんを、次々に、踏みつぶしていた。そして、二十一日にはもう、浅井の本城小谷へ迫っていた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
器用者の侯健こうけんは、やき物の窯場かまばも設けて、陶器すえものを焼きはじめ、武器の工廠こうしょうでは、連環れんかん馬鎧うまよろいからカギ鎗、葉鉄うすがねよろい、またあらゆる兵具を、日夜さかんに作っていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この許都を中心として西は荊州けいしゅう襄陽じょうよう劉表りゅうひょう張繍ちょうしゅうを見ても、東の袁術、北の袁紹の力をながめても、ほとんど四方連環れんかんの敵であって、安心のできる一方すら見出せない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉一箇の独立した戦いではなく——要するに信長の制覇せいはに対抗する西、南、東、北の敵性連環れんかんの一角にぶつかって、その包囲環ほういかんに撃破の穴をあけようとしている信長自体の
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巨大な鉄鎖てっさ連環れんかんがたえまなくめぐり旋り近づいて来るので、戦闘力の鋭角はどこにあるかといえば、そうしているまに敵の先陣と体当りした所がすぐそのまま鋭角となるものだった。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布の紫金冠や連環れんかんよろいをかすめ、呂布の方天戟は、しばしば、張飛の眉前や籠手こてをかすって、今にもいずれかが危うく見えながら、しかも両雄は互いにいつまでもわめき合い叫び合い
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ば、ばかな……」と呼延灼こえんしゃくは耳もかさず「——そんなわけはない。乱軍の誤認だろう。一頭一頭鎖甲くさりよろいで馬体をかためている連環れんかんの鉄騎が、そんな無造作なはいをとるわけがあるものか」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、ことばをかえて、室内に連環れんかんして立っている給仕の侍女たちへ、いった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「江湾の兵船は、すべて五十艘六十艘とことごとく鎖をもって連ね、ご命令どおり連環れんかんの排列を成し終りましたれば、いつご戦端をおひらきあるとも、万端の手筈に狂いはございません」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みな敵のきばだ。ひとつひとつ孤立したものでない。歯のごとく連環れんかんしている。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……わけて祖父じいは、延安府えんあんふ経略使けいりゃくしちゅう閣下にはかくべつご贔屓ひいきにされ、どうして外敵が使っている連環れんかん甲馬よろいうまをやッつけ得るかッてえなご相談にもあずかって、その結果、苦心工夫のあげく
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一城一城、連環れんかんの小城は、かくて箇々に潰滅かいめつされた。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……なるほど、七城連環れんかんか」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
連環れんかんの計といいます」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)