つくり)” の例文
ちょうどその横が十畳で、客室きゃくまらしいつくりだけれども、夫人はもうそこを縁づたいに通越して、次の(菅女部屋)から
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
『ありますとも……あそこは名代の堅い家ですから……彼家あすこでは、薬屋の他に、つくり醤油もしてゐる筈ですが。』
百日紅 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
葡萄つくりのひっそり働いている所が、急に賑やかになって来て、小屋の中にも音がします。
ちよんぼりとあるうすまゆどうやらいたいけなつくりだけれども、鬼薊おにあざみはなかとばかりすら/\とびて、わる天窓あたまでもでてやつたらてのひらさゝりさうでとげ/\しい。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あそこでは朝も晩も、葡萄つくりが熱心に、優しい限、手を尽して
神様のおつくりになった、為合者しあわせもの