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蹴飛
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けとば
ふりがな文庫
“
蹴飛
(
けとば
)” の例文
その上何ぞというと
擲
(
なぐ
)
ったり
蹴飛
(
けとば
)
したり
惨酷
(
ざんこく
)
な写真を入れるので子供の教育上はなはだ
宜
(
よろ
)
しくないからなるべくやりたくないのですが
中味と形式
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
秋と言つても、まだ生暖かい時で、薄い夜の物を
蹴飛
(
けとば
)
し加減に、主人の死骸は半分床から滑り落ちて居ります。
銭形平次捕物控:179 お登世の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
しかし事実はもう殆ど明白である。慶三は夜具を
蹴飛
(
けとば
)
し足音荒く二階から駈け下りるが否や、
有合
(
ありあ
)
う下駄をつッかけて物をも云わず
戸外
(
おもて
)
へ飛出そうとした。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
晩餐
(
ばんさん
)
の菜が気に入らぬと云って、
御膳
(
おぜん
)
を
蹴飛
(
けとば
)
した。夜は十二時過に酔って帰って来ることもあった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
成長の上、坊主にする
前
(
ぜん
)
申す通り、
亡父
(
ぼうふ
)
は
俗吏
(
ぞくり
)
を勤めるのが不本意であったに違いない。
左
(
さ
)
れば中津を
蹴飛
(
けとば
)
して外に出れば
宜
(
い
)
い。所が決してソンナ気はなかった様子だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
そしてクリストフをも一度舞台に連れ出そうとした。しかし子供は猛然とそれを拒み、祖父の上着にしがみついて、近寄る者を足で
蹴飛
(
けとば
)
した。しまいには涙にむせんだ。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
さげ詫入る處を猶も又めつた打ちに打ち
敲
(
たゝ
)
き
頓
(
やが
)
て
蹴飛
(
けとば
)
し
蹴返
(
けかへ
)
して直に請人石町甚藏店の六右衞門を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「剛情張ると
蹴飛
(
けとば
)
すぞ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
八五郎は屋敷の外へ出ると、道の小石を
蹴飛
(
けとば
)
したり、羽目板を叩いたり、立つた腹のやり場に困る樣子ですが
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
落る時左の手でしたたか馬の太腹を
叩
(
たた
)
いて、からくも
四這
(
よつばい
)
の不体裁を
免
(
まぬ
)
がれた、やれうれしやと思う間もなく鉄道馬車は前進し始める、馬は驚ろいて吾輩の自転車を
蹴飛
(
けとば
)
す
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
續いて菊次郎——日頃
賢
(
かしこ
)
さうに取澄してゐるのが、膳を二三枚
蹴飛
(
けとば
)
すと、湧き上がるやうな怪奇な手振りで、ヒヨロリ、ヒヨロリと人の間を泳ぎ廻るのです。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
蹴
常用漢字
中学
部首:⾜
19画
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
“蹴”で始まる語句
蹴
蹴出
蹴落
蹴上
蹴鞠
蹴散
蹴込
蹴立
蹴倒
蹴返