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しやうこ
老叟は
笑つて『さう言はるゝには
何か
證據でも
有のかね、
貴君の
物といふ
歴とした
證據が有るなら
承はり
度いものですなア』
『
證據やある』と
王樣が
申されました、『
怕れることはない、
早く
云へ、さもなければ
即座に
死刑だ』
底抜けにひツ
傾けた
證據の
千鳥あし、それをやつと
踏みしめて
家の
閾を
跨ぎながら
(網の
存在に付きては
慥なる
證據あり。此事に關しては再び記す所あるべし。)
「
何もそんなにおどろくことはない。それが
萬物の
生きてゐる
證據さ」
「あれ、あれが
何よりの
證據じやないか、みたまへ。
水の
底を……」