語出かたりいだ)” の例文
先生は更にわがかたには見向きもしたまはず破笠子を相手に今朝こんちょう巴里パリー川上かわかみ(壮士役者音二郎が事なり)より新聞を郵送しきたれりとて巴里劇界の消息を語出かたりいだされぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
やゝとき乘客じようかくは、活佛くわつぶつ——いまあらたにおもへる——の周圍しうゐあつまりて、一條いちでう法話ほふわかむことをこひねがへり。やうや健康けんかう囘復くわいふくしたる法華僧ほつけそうは、よろこんでこれだくし、打咳うちしはぶきつゝ語出かたりいだしぬ。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)