トップ
>
蜜柑箱
>
みかんばこ
ふりがな文庫
“
蜜柑箱
(
みかんばこ
)” の例文
狭い勝手の揚げ蓋の隅に、古い
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
があって、その中に口の欠けた醤油注ぎや、ペンチや、ドライバーや、油じみた軍手や、ぼろ布が
整頓
(
せいとん
)
されてある。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
よき折から
京方
(
かみがた
)
に対し、関東の武威をあらはすため、都鳥を
射
(
い
)
て、
鴻
(
こう
)
の
羽
(
はね
)
、
鷹
(
たか
)
の
羽
(
は
)
の矢を
胸
(
むな
)
さきに
裏掻
(
うらか
)
いて
貫
(
つらぬ
)
いたまゝを、
故
(
わざ
)
と、
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
と思ふが
如何
(
いかが
)
、即ち其の昔
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこへ
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
の中へ、餅を交ぜ入れて担いで来た男があった。近松勘六の下男の甚三郎だった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三畳の隅っこに、
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
が一つ、
行灯
(
あんどん
)
が一つ、蜜柑箱は机の代りになるらしく、その上に
硯箱
(
すずりばこ
)
が置いてあって、箱の中には、手習をした
塵紙
(
ちりがみ
)
が二十枚ばかり重ねてあります。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あれこれ考えながらお座敷を
掃
(
は
)
いて、それから、お風呂をわかす。お風呂番をしながら、
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
に腰かけ、ちろちろ燃える石炭の灯をたよりに学校の宿題を全部すましてしまう。
女生徒
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
半分
(
はんぶん
)
と立たぬ
間
(
ま
)
に余の右側を
掠
(
かす
)
めるごとく過ぎ去ったのを見ると——
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
のようなものに白い
巾
(
きれ
)
をかけて、黒い着物をきた男が二人、棒を通して前後から
担
(
かつ
)
いで行くのである。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
米友は戸の
節穴
(
ふしあな
)
からそっと
覗
(
のぞ
)
いていると、
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
を枕にした折助が
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
バケツに水を
汲
(
く
)
んで帰ると、次に
蜜柑箱
(
みかんばこ
)
の一つから米、他の一つから麦を量り出して、ニュームの鍋へ入れ、もう一つのバケツといっしょに持って水道端へゆく。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
蜜
常用漢字
中学
部首:⾍
14画
柑
漢検準1級
部首:⽊
9画
箱
常用漢字
小3
部首:⽵
15画
“蜜柑”で始まる語句
蜜柑
蜜柑畑
蜜柑函
蜜柑山
蜜柑水
蜜柑畠
蜜柑船
蜜柑屋
蜜柑林