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萬年青
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おもと
ふりがな文庫
“
萬年青
(
おもと
)” の例文
新字:
万年青
「待ちなよ八。口惜しがるのはお前の勝手だが、煙管の
雁首
(
がんくび
)
で
萬年青
(
おもと
)
の鉢を引つ叩かれちや、萬年青も煙管も臺なしだ」
銭形平次捕物控:103 巨盗還る
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一しきり蘭や
萬年青
(
おもと
)
の變種の
流行
(
はや
)
つた時分に、太政官は隱居の庭に温室を造つて、丹念に青い鉢植ゑものを育てた。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
此間
(
このあひだ
)
も
原
(
はら
)
の
御母
(
おつか
)
さんが
來
(
き
)
て、まあ
貴方
(
あなた
)
程
(
ほど
)
氣樂
(
きらく
)
な
方
(
かた
)
はない、
何時
(
いつ
)
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ても
萬年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
ばかり
丹念
(
たんねん
)
に
洗
(
あら
)
つてゐるつてね。
眞逆
(
まさか
)
左
(
さ
)
うでも
無
(
な
)
いんですけれども
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は深川佐賀町の寓居で、
房楊枝
(
ふさようじ
)
をくわえながら、
錆竹
(
さびたけ
)
の濡れ縁に
萬年青
(
おもと
)
の鉢を眺めて居ると、庭の裏木戸を
訪
(
おとな
)
うけはいがして、袖垣のかげから、ついぞ見馴れぬ小娘が這入って来た。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ここは兩側の家、今の倉庫を除けば河に面した兩側には主に玻璃障子を立てた家が並んでゐる。それに小さい欄干の附いた出窓が張り出て、松や
萬年青
(
おもと
)
や檜などの盆栽が置かれてある。
京阪聞見録
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
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美しい斑紋を持ち若しくは稀有なる畸形をなした
萬年青
(
おもと
)
が生ずると數寄者は非常なる價値を認めるが、併し其の萬年青なるものを
熟〻
(
つく/″\
)
研究して見ると、決して偶然に生じたものではなく
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
欄干
(
てすり
)
のそばに赤い
果
(
み
)
の
萬年青
(
おもと
)
を置いて
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
立派な白い
髯
(
ひげ
)
の生えた老人が、庭さきで、筆に水を含ませて
萬年青
(
おもと
)
の葉を洗つてゐる。老人が腰を
屈
(
かが
)
めて、落ち付きはらつてそんなことをしてゐる
態
(
さま
)
が、遠く庭の緑を拔けてくつきりと見える。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
萬
部首:⾋
12画
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
“萬年”で始まる語句
萬年
萬年町
萬年屋
萬年橋