萬分まんぶん)” の例文
新字:万分
翌年よくねん一月いちぐわつ親類見舞しんるゐみまひに、夫人ふじん上京じやうきやうする。ついでに、茅屋ばうをく立寄たちよるといふ音信たよりをうけた。ところで、いまさら狼狽らうばいしたのは、そのとき厚意こうい萬分まんぶんいちむくゆるのに手段しゆだんがなかつたためである。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
難有ありがたく、せめて報恩ほうおん萬分まんぶんいちには、この軍艦ぐんかん水兵等すいへいらおなやうはたらきたいと、しきりにこゝろ焦立いらだてたが、海軍かいぐん軍律ぐんりつげんとしてうごかすからず、本艦ほんかん在役ざいえき軍人ぐんじんならねば檣樓しやうらうのぼことかなはず