荒金あらがね)” の例文
母がまだ存生ぞんじょうの時だった。……一夏あるなつ、日の暮方から凄じい雷雨があった……電光いなびかり絶間たえまなく、雨は車軸を流して、荒金あらがねつちの車は、とどろきながら奈落の底に沈むと思う。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼の威厳は荒金あらがねのやうにそこにかがやかに残つてゐる。彼のクリストに及ばなかつたのも恐らくはその事実に存するであらう。クリストに洗礼を授けたヨハネはかしの木のやうにたくましかつた。
西方の人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
げに人の世は荒金あらがね
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
はゝがまだ存生ぞんじやうときだつた。……一夏あるなつ暮方くれがたからすさまじい雷雨らいうがあつた……電光いなびかり絶間たえまなく、あめ車軸しやぢくながして、荒金あらがねつちくるまは、とゞろきながら奈落ならくそこしづむとおもふ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)