草樹くさき)” の例文
断崖きりぎし突当つきあたりますやら、ながれに岩が飛びましたり、大木の倒れたのでさきふさがったり、その間には草樹くさきの多いほど、毒虫もむらむらして、どんなに難儀でございましょう。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其處そこたづねまして、はじめて、故郷ふるさとまでとほくない、四五十里しごじふりだとふのがわかつて、それから、かんざしり、おびつて、草樹くさきをしるべに、つとをかさねてかへつたのでございます。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
草樹くさきの影の伸びるとともに、親雀につれて飛び習う、仔の翼は、次第に、次第に、上へ、上へ、自由に軽くなって、花垣はながきたけを切るのが、四、五たび馴れると見るうちに、がけをなぞえに
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)