若手わかて)” の例文
現代いまで言う秘書課のようなところだから、わりに若手わかてが多かったもので、ここで柳営りゅうえいの事務を見習い、才幹さいかんがあると認められれば、それぞれ上の役柄やくがらへ振り当てられて
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そこで、腕ッぷしの強い若手わかてを二人ばかり支度して、湯島の切り通しに、ずッと張っていて貰いてえんだが、寛永寺の鐘が四ツ打つころ、つた家ッて提灯ちょうちんのかごで通る。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
糟谷かすやは三十になったばかり、若手わかて高等官こうとうかんとして、周囲しゅういから多大ただい希望きぼうせられていた。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
病気びやうきのために、衣絵きぬゑさんが、若手わかて売出うりだしの洋画家やうぐわかであつた、婿君むこぎみと一しよに、鎌倉かまくら出養生でやうじゆうをしてたのは……あとでおもへば、それもさびしい……はるころからつてた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)