“船頭(おやぢ)” の例文
いや、そんな事(こと)より、力餅(ちからもち)さへ食(く)はぬ二人(ふたり)が、辨當(べんたう)のうまさうなのに、ごくりと一所(いつしよ)に唾(つ)をのんでお腹(なか)が空(す)いて堪(たま)らない。……船頭(おやぢ)の菜(さい)も糠鰊(こぬかにしん)で。……
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
船頭(おやぢ)が辨當(べんたう)を使(つか)ふ間(あひだ)、しばらくは船(ふね)は漂蕩(へうたう)と其(そ)の流(なが)るゝに任(まか)せて、やがて、餉(かれひ)を澄(す)まして、ざぶりと舷(ふなべり)に洗(あら)ひ状(さま)に、割籠(わりご)に掬(く)むとて掻(か)く水(みづ)が、船脚(ふなあし)よりは長(なが)く尾(を)を曳(ひ)いて、動(うご)くもののない江(え)の面(おも)に
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)