背伸せの)” の例文
背伸せのびをして、三じゃく戸棚とだなおくさぐっていた春重はるしげは、やみなかからおもこえでこういいながら、もう一、ごとりとねずみのようにおとてた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
とりたちが、この姿すがたあてに、くもはるかのかなたからんでくるとおもうと、はいっそうたか背伸せのびをするように、夕日ゆうひなかかがやいたのでした。
大きなかしの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにをするか……と、見ていると、ピタリ肩落しにつけていた大刀を口にくわえた右近、スッと背伸せのびをして、帯を締め直し出した。五つの剣輪けんりんの中である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)