ちぢま)” の例文
一行はじめて団結だんけつ猛然もうぜん奮進にけつす又足を水中にとうずれば水勢ます/\きうとなり、両岸の岩壁いよ/\けんとなり、之に従つて河幅はすこぶちぢま
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
誦経が始ると一同は黙って経の終るのを待っていたが、後から吹きつけて来る風の寒さに、定雄は長い経の早くちぢまることばかりを願ってやまなかった。
比叡 (新字新仮名) / 横光利一(著)
日射ひざしが上からちぢまつて、段々下に落ちて行く。さつへやの中が暗くなつたと思ふと、モウ私の窓から日が遁げて、向合つた今井病院の窓が、にはかにキラ/\とする。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そうこうする裡に同志百七十一名の生命は、刻々こくこくちぢまってゆく。そうだ、こうしては居られない。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ゆはもと、である。しかしこのままでは、語をなすに到らぬ。斎用水ユカハあるいはゆかはみづの形がだんだんちぢまって、ゆ一音で、斎用水を表すことができるようになった。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)