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縁取
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ふちど
ふりがな文庫
“
縁取
(
ふちど
)” の例文
階の
両側
(
ふたがわ
)
のところどころには、
黄羅紗
(
きラシャ
)
にみどりと白との
縁取
(
ふちど
)
りたる「リフレエ」を着て、
濃紫
(
こむらさき
)
の
袴
(
はかま
)
を
穿
(
は
)
いたる男、
項
(
うなじ
)
を
屈
(
かが
)
めて
瞬
(
またたき
)
もせず立ちたり。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
信濃
(
しなの
)
の高原に見るような複雑した雲の変化を見ることはできなかったが、ひろい関東平野を
縁取
(
ふちど
)
った山々から起こる雲の色彩にはすぐれたものが多かった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
それから、上を向く時には、きまって
胡麻塩
(
ごましお
)
の眉を帽子のつばの下で、高く釣り上げる。そうすると、その眼のただれてみじめに
縁取
(
ふちど
)
られているのがよく見えた。
墓地へゆく道
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
岸を上って、山と山との谷間の細道を、
暫
(
しばら
)
く行くと、地下へのトンネルが、古風な
赤煉瓦
(
あかれんが
)
の
縁取
(
ふちど
)
りで、まるで坑道へでも下る様に、ポッカリと黒い口を
開
(
あ
)
いている。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その馬道は
羊齒
(
しだ
)
の
土堤
(
どて
)
の間を通り、ヒースの茂りを
縁取
(
ふちど
)
つてゐる荒れ果てた幾つかの小さな牧場
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
諸君がもし折があって、コルシカ島の
金山
(
モンテ・ドロ
)
の麓を旅行されるならば、はるかなる森蔭から、黒柳で
縁取
(
ふちど
)
りした深い谿谷の底から、今もなお優しい草津節を聞かれるであろう。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
刳
(
えぐ
)
られたように痩せ落ちた
顳顬
(
こめかみ
)
や頬、そういう輪廓を、黒い焔のような乱髪で
縁取
(
ふちど
)
り、さながら、
般若
(
はんにゃ
)
の
能面
(
おもて
)
を、黒ビロードで額縁したような顔を、ヒタと左門へ差し向けたが
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ただ眼の処だけが黄色く
縁取
(
ふちど
)
られた、透明なセルロイドになっております姿は
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
窓と云う窓には
鎧戸
(
よろいど
)
がおろしてあるけれど、その隙間からさし込んで来る初夏らしい真昼のあかりが、色ガラスを透して来たような赤味を帯びてどんより物の
輪廓
(
りんかく
)
を
縁取
(
ふちど
)
っている部屋の中で
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
吾吾日本人は世界の地震帯に
縁取
(
ふちど
)
られ、その上火山系の上に眠っているわが国土の危険に想到して、今さらながら闇黒な未来に恐怖しているが、しかし考えてみれば、吾吾は小学校へ入った時から
日本天変地異記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
縁
常用漢字
中学
部首:⽷
15画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“縁取”で始まる語句
縁取袴