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絹紐
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リボン
ふりがな文庫
“
絹紐
(
リボン
)” の例文
襦袢
(
じゅばん
)
の袖に花と乱るる濃き色は、柔らかき腕を音なく
滑
(
すべ
)
って、くっきりと
普通
(
つね
)
よりは明かなる肉の柱が、
蝶
(
ちょう
)
と傾く
絹紐
(
リボン
)
の下に
鮮
(
あざや
)
かである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
濃い
紫
(
むらさき
)
の
絹紐
(
リボン
)
に、怒をあつめて、
幌
(
ほろ
)
を
潜
(
くぐ
)
るときに
颯
(
さっ
)
とふるわしたクレオパトラは、突然と玄関に飛び上がった。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
赤に白く
唐草
(
からくさ
)
を浮き織りにした
絹紐
(
リボン
)
を輪に結んで、額から髪の上へすぽりと
嵌
(
は
)
めた間に、
海棠
(
かいどう
)
と思われる花を青い葉ごと、ぐるりと
挿
(
さ
)
した。黒髪の
地
(
じ
)
に
薄紅
(
うすくれない
)
の
莟
(
つぼみ
)
が大きな
雫
(
しずく
)
のごとくはっきり見えた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
紫
(
むらさき
)
の
絹紐
(
リボン
)
は取って捨てた。有るたけは、有るに任せて枕に乱した。
今日
(
きょう
)
までの浮世と思う母は、
櫛
(
くし
)
の歯も入れてやらぬと見える。乱るる髪は、
純白
(
まっしろ
)
な
敷布
(
シート
)
にこぼれて、
小夜着
(
こよぎ
)
の
襟
(
えり
)
の
天鵞絨
(
びろうど
)
に
連
(
つら
)
なる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
絹
常用漢字
小6
部首:⽷
13画
紐
漢検準1級
部首:⽷
10画
“絹”で始まる語句
絹
絹帽
絹布
絹糸
絹地
絹縮
絹紬
絹漉
絹物
絹行燈