絲瓜へちま)” の例文
新字:糸瓜
絲瓜へちまの如く干枯ひからびて死んで仕舞つた。——提燈は未だに暗い軒下にぶらぶらしてゐる。余は寒い首を縮めて京都を南から北へ拔ける。
京に着ける夕 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
鹿島かじま一日、したはん半日ひなか。休み嫌ひの仙藏はん、なほも嫌ひの絲瓜へちまはん。」と定吉は、村の草刈童のよく唄ふ歌を高い聲で唄つた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「だつても絲瓜へちまもあるものか、あの小屋の中には、妙に氣に入らねえところがあるよ。兎に角、江戸つ子の見るものぢやねえ」
鈍痴漢とんちんかんの、薄鈍うすのろ奴等やつらくすり絲瓜へちまるものか、馬鹿ばかな、輕擧かるはずみな!』ハヾトフと郵便局長いうびんきよくちやうとは、權幕けんまく辟易へきえきして戸口とぐちはう狼狽まご/\く。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「平三郎は近頃半病人のやうだと言ひますよ。戀に眼がくらんぢや、主從も絲瓜へちまもなくなるわけでせう。その上二人は顏と顏が合つても、口を利かないほど仲が惡いさうで」
「病院で阿母おかあさんにもろたんや、十二本貰たんを絲瓜へちまはんと半ぼん分けにしたん。」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
なほる癒らんも、絲瓜へちまもおまへん。癒つて見せうちふ氣一つだす。やまひは。……」
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)