トップ
>
索漠
>
さくばく
ふりがな文庫
“
索漠
(
さくばく
)” の例文
仏印の頃は、人目のないところでは、すぐ、二人は寄り添ひ、手を握りあつてゐたものだがと、ゆき子は、
索漠
(
さくばく
)
とした二人の現実を淋しいものに考へてゐる。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
しかもなお
索漠
(
さくばく
)
たる砂上を踏んで歩いていると、おのれの変り果てた姿をもう一度ふりかえって見て、しかもどうにもならない微笑が浮んでくることを感じた。
みずうみ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
不二山
(
ふじさん
)
と、
大蘇鉄
(
だいそてつ
)
と、そうしてこの大理石の墓と——自分は十年ぶりで「わが袖の記」を読んだのとは、全く反対な
索漠
(
さくばく
)
さを感じて、
匆々
(
そうそう
)
竜華寺の門をあとにした。
樗牛の事
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ハムレットにとって正覚はよろこびではなく、苦い、
索漠
(
さくばく
)
たるものでした。
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
遠く北の方に
樽前山
(
たるまへさん
)
の噴火の煙が見えるのも妙に
索漠
(
さくばく
)
たる感じを誘つた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
講和問題
(
かうわもんだい
)
、
新婦
(
しんぷ
)
、
新郎
(
しんらう
)
、
涜職事件
(
とくしよくじけん
)
、
死亡廣告
(
しばうくわうこく
)
——
私
(
わたくし
)
は
隧道
(
トンネル
)
へはひつた一
瞬間
(
しゆんかん
)
、
汽車
(
きしや
)
の
走
(
はし
)
つてゐる
方向
(
はうかう
)
が
逆
(
ぎやく
)
になつたやうな
錯覺
(
さくかく
)
を
感
(
かん
)
じながら、それらの
索漠
(
さくばく
)
とした
記事
(
きじ
)
から
記事
(
きじ
)
へ
殆
(
ほとんど
)
蜜柑
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼はこのまま、
本郷行
(
ほんごうゆき
)
の電車へ乗って、
索漠
(
さくばく
)
たる下宿の二階へ帰って行くのに忍びなかった。そこで彼は夕日の中を、本郷とは全く反対な方向へ、好い加減にぶらぶら歩き出した。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
講和問題、新婦新郎、
涜職
(
とくしよく
)
事件、死亡広告——私は隧道へはいった一瞬間、汽車の走っている方向が逆になったような錯覚を感じながら、それらの
索漠
(
さくばく
)
とした記事から記事へ
殆
(
ほとんど
)
機械的に眼を通した。
蜜柑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
索
常用漢字
中学
部首:⽷
10画
漠
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
“索”で始まる語句
索
索寞
索然
索莫
索引
索具
索綱
索条
索麪
索溝