“涜職”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とくしょく82.4%
とくしよく17.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部下の不正行為を煽動せんどうして、ますます松浦屋を窮地に落させた、いわば涜職とくしょく事件の首魁しゅかいといってもいい人物なのであった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
父の宗城伊十郎は越前家の勘定方に勤めていたが、重役に涜職とくしょく問題が起こったとき、その責任を負わされて退身した。
月の松山 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
講和問題、新婦新郎、涜職とくしよく事件、死亡広告——私は隧道へはいつた一瞬間、汽車の走つてゐる方向が逆になつたやうな錯覚を感じながら、それらの索漠とした記事から記事へほとんど機械的に眼を通した。
蜜柑 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
例の涜職とくしよく議員の公判記録を読んでみると、ある議員などは、自分で自分の附会こじつけた議論に感心して、洋服を盗んだ黒人くろんぼのやうに、涜職事件を、結局つまりは政事家らしい行動とでも思つてゐるらしく見られる。