ちかひ)” の例文
伯氏あには菊花のちかひを重んじ、命を捨てて百里をしはまことあるかぎりなり。士は今尼子にびて一三六骨肉こつにくの人をくるしめ、此の一三七横死わうしをなさしむるは友とするまことなし。
兄長このかみ今夜こよひ菊花のちかひわざわざ来る。一〇九酒殽しゆかうをもて迎ふるに、再三あまたたびいなみ給うて云ふ。しかじかのやうにてちかひそむくがゆゑに、みづかやいばに伏して陰魂なきたま百里を来るといひて見えずなりぬ。
老母問ひていふ。伯氏あに赤穴がちかひにたがふをうらむるとならば、明日あすなんもし来るには一〇七ことばなからんものを。汝かくまで一〇八をさなくも愚かなるかとつよくいさむるに、左門やや答へていふ。