“精細（せいさい）” の例文
下士族は出入（しゅつにゅう）共に心に関して身を労する者なれば、その理財の精細（せいさい）なること上士の夢にも知らざるもの多し。二人扶持（ににんぶち）とは一箇月（かげつ）に玄米（げんまい）三斗（と）なり。
旧藩情 (新字新仮名) ／ 福沢諭吉(著)
植物性食物採集の爲には諸種（しよしゆ）の石器及び入れ物を要せしなるべけれど、何物（なにもの）の如何なる部分が食料（しよくれう）に撰まれしや詳ならざるを以て、精細（せいさい）には記し難し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) ／ 坪井正五郎(著)
利助（りすけ）の陶器（とうき）の特徴（とくちょう）は、その繊細（せんさい）な美妙（びみょう）な感（かん）じにありました。彼（かれ）は薄手（うすで）な、純白（じゅんぱく）な陶器（とうき）に藍（あい）と金粉（きんぷん）とで、花鳥（かちょう）や、動物（どうぶつ）を精細（せいさい）に描（えが）くのに長（ちょう）じていたのであります。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) ／ 小川未明(著)
「第二も観察だ。ジッケンズなぞは子供の時から精細（せいさい）な観察家だったと自分で言っている」
親鳥子鳥 (新字新仮名) ／ 佐々木邦(著)