管領かんりょう)” の例文
久慈くじ郡の佐竹ノたて亘理わたり郡の相馬一族。またさきに尊氏から、奥州管領かんりょうの名で東北に派遣はけんされていた斯波しば家長の党などが
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
家柄ではあり、親父の余威はあり、二度も京都管領かんりょうになったその政元が魔法修行者だった。政元は生れない前から魔法に縁があったのだから仕方がない。
魔法修行者 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
館の老臣でありながら、木曽家にとっては讐敵しゅうてきの、高遠の管領かんりょう伊那盛常もりつねひそかに好誼よしみを通ずるさえあるに、殿を夜な夜なおびき出して、惰弱だじゃくを教える奸臣かんしんが、お館の中にあるからじゃ
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
もっとも幽斎よりずっと以前の細川管領かんりょう時代から、管領三家と妙心寺とは、ただの大檀越だいだんおちであるのみでなく、政治的な意味でも深く結ばれていた間であったが
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは京の室町むろまちで、これを南へって行けば、今出いまで川の通りへ出る。そこを今度は東へ参る。すると北小路こうじの通りへ出る。それを出はずれると管領かんりょうヶ原で、その原の一所に館がござる。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
管領かんりょうの細川も松永弾正だんじょうも三好修理しゅりも、みな彼の手にかかっていたものだし、わけて禁中の御信任もあつく、余暇を施薬院せやくいんの業に尽し、また後輩のために学舎を設け
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尊氏は管領かんりょうの邸に入ってもう五十日ほどは経過していたが、一月いらい、心の安らいだ寸刻もない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成良しげなが親王(義良のりながの兄)を、関東の管領かんりょうとし、足利直義ただよし朝臣あそんを相模守に任じ、その補佐とする——
そして管領かんりょうの基氏(尊氏の次子、十歳)を追い出してそのあとにっていたのである。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
応仁の乱れ以来、幕府に服さず、管領かんりょうに統治できず、地方地方へひっ込んだまま、各〻、自領をかため、手兵を養い、弓矢をぎ、鉄砲を蓄えなどしているのは、あだ事ではございません。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここで老舗しにせの財産半分をつかっても、もとはひとの物、安い物、そんな料簡からに違いない。その日まず、管領かんりょう梁中書りょうちゅうしょの公邸にちかづいてから、連日、あらゆる手をつくして暗躍にかかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
管領かんりょう細川晴元はあるが、これもあるという名ばかりで、実権はない。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「副将軍か、管領かんりょうか、二職のうちいずれかに就任してくれまいか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
滝川一益を、上野信州の二郡に封じ、関東管領かんりょうの重職にのぼす。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関東管領かんりょうの上杉憲政のりまさ
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)