箔屋はくや)” の例文
通って来たんだけれど、角の箔屋はくや。——うちの人じゃあない、世話になって、はんけちの工場こうばへ勤めている娘さんですとさ。ちゃんと目を
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
でも若旦那は町風呂の廣々としたのが好きなんださうで、——それに、こいつは内證ないしよですがね、箔屋はくや町の櫻湯にはお浪といふ凄いのが居ますよ。
田舎いなかから、まちて、箔屋はくや弟子入でしいりをして、そして、ならった細工さいくは、すべてたましいはいらない、ごまかしものだった。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
桜町の箔屋はくやが例年の通り桟敷さじきを造って船頭や財副ざいふく客唐人きゃくとうじんを招いて神事踊ば見せたのでござりました。
でも若旦那は町風呂の広々としたのが好きなんだそうで、——それに、こいつは内証ないしょですがね、箔屋はくや町の桜湯にはおなみという凄いのがいますよ。
このみせは、まちふるくからの箔屋はくやだったので、金持かねもちの得意とくいおおく、またとおくからも、註文ちゅうもんけていました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、ろくろく学校がっこうへもいかず、はやくから、まち箔屋はくや弟子入でしいりして、手仕事てしごとをおぼえさせられたのでした。まれつき器用きよう正吉しょうきちは、よくはりをはこびました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)