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竹矢来
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たけやらい
ふりがな文庫
“
竹矢来
(
たけやらい
)” の例文
旧字:
竹矢來
もうその時は、作業場と町屋の境に出来ている
竹矢来
(
たけやらい
)
の木戸で、真っ黒にかたまった人間の怒号が黄いろい
埃
(
ほこり
)
につつまれていた。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
磔柱
(
はりつけばしら
)
は周囲の
竹矢来
(
たけやらい
)
の上に、
一際
(
ひときわ
)
高く十字を描いていた。彼は天を仰ぎながら、何度も高々と祈祷を唱えて、恐れげもなく
非人
(
ひにん
)
の
槍
(
やり
)
を受けた。
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
同じなら、
竹矢来
(
たけやらい
)
を組んでよ、検視の役人付添いの上、ドンドンと太鼓を叩いて、揚幕から
静
(
し
)
んず静んずと出てみたいやな。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いまになつてみると、死ぬ事は安々とした気持ちでもあつたのだ。自分のひそかな絶望の形態が、
竹矢来
(
たけやらい
)
のやうに、自分の周囲に張りめぐらされた気がした。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
馬場の一面には、八幡宮の鳩と
武田菱
(
たけだびし
)
との
幔幕
(
まんまく
)
が張りめぐらされてあり、その外は
竹矢来
(
たけやらい
)
でありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
門の前には
竹矢来
(
たけやらい
)
が立てられて、本堂
再建
(
さいこん
)
の寄附金を
書連
(
かきつら
)
ねた生々しい木札が並べられてあった。
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第一の必要が高燥で日当りの好い土地ですから
物置
(
ものおき
)
の
檐下
(
のきした
)
で南向きの処を択べばそれで沢山です、先ず
其処
(
そこ
)
を一坪
竹矢来
(
たけやらい
)
で
囲
(
かこ
)
います。一坪なくとも奥行四、五尺位でも構いません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
そのお仕置き場の回りにぐるっと
竹矢来
(
たけやらい
)
を結って……
棚田裁判長の怪死
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
子供のおまえにそんなことを話してもしかたがねえが、男は一どは見ておくものだそうだから、あさっての夕方、
都田川
(
みやこだがわ
)
の
竹矢来
(
たけやらい
)
のそとへ見にきねえ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人力車
(
じんりきしゃ
)
は
賃銭
(
ちんせん
)
の高いばかりか何年間とも知れず
永代橋
(
えいたいばし
)
の
橋普請
(
はしぶしん
)
で、近所の往来は
竹矢来
(
たけやらい
)
で
狭
(
せば
)
められ、小石や砂利で車の通れぬほど荒らされていた処から、
誰
(
た
)
れも彼れも
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
再び天が晴れた時、磔柱の上のじゅりあの・吉助は、すでに息が絶えていた。が、
竹矢来
(
たけやらい
)
の外にいた人々は、今でも彼の祈祷の声が、空中に漂っているような心もちがした。
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
王婆は、
竹矢来
(
たけやらい
)
の中でも、泣きどおしに泣いて斬られた——時刻もちょうどその頃であった。一方の武松は、奉行所の裏門外で、四十
打
(
だ
)
の“青竹叩き”を背にうけていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と——蛾次郎も卜斎の
視線
(
しせん
)
にならってその
方角
(
ほうがく
)
へ目をやってみると、
竹矢来
(
たけやらい
)
の一
角
(
かく
)
、そこはいまあらかたの
弥次馬
(
やじうま
)
が
獄門台
(
ごくもんだい
)
と
掲示
(
けいじ
)
の
高札
(
こうさつ
)
を見になだれさったあとで、ほのあかるい
夕闇
(
ゆうやみ
)
に、
点々
(
てんてん
)
と
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
竹
常用漢字
小1
部首:⽵
6画
矢
常用漢字
小2
部首:⽮
5画
来
常用漢字
小2
部首:⽊
7画
“竹矢”で始まる語句
竹矢來