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空罐
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あきかん
ふりがな文庫
“
空罐
(
あきかん
)” の例文
新字:
空缶
ドゥモンの砲台のわきから細い裏道づたいに下ってゆくと、すすきに似た草の穂がゆらいでいる砲弾穴に、さびた鉄兜や
空罐
(
あきかん
)
がころがっている。
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
諸君自身のもっと高い緯度の地帯を探険したまえ——もし必要なら、食いつなぐべき保存食肉を船につんで、そして目印しに
空罐
(
あきかん
)
を山と積みたまえ。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
窓の
鎧戸
(
よろいど
)
の破れから覗いてみると、なかの薄暗がりに
椅子
(
いす
)
テーブルが片寄せに積みあげられ、
鼠
(
ねずみ
)
が喰ひ散らしたらしい古新聞や
空罐
(
あきかん
)
などがちらばつてゐる。
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
有田ドラッグの薬の
空罐
(
あきかん
)
が幾つも残っており、薬がなくなると薬代をもらいに銀子の
処
(
ところ
)
へ
往
(
い
)
ったこともあった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二人の子が順番でかわるがわる取るのであったが、年上のほうは虫に手をつけるのをいやがって小さなショベルですくってはジャムの
空罐
(
あきかん
)
へほうり込んでいた。
簔虫と蜘蛛
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
夕方の配達を済ました牛乳の
空罐
(
あきかん
)
を提げながら庭を帰って行く同級生もあった。
流行歌
(
はやりうた
)
の一つも歌って聞かせるような隠芸のあるものはこの苦学生より外に無かった。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その途中に家並がとぎれて空地つづきになったところがある、右も左も荒れた草原で、いかにも場末らしくやたらに
紙屑
(
かみくず
)
だの
空罐
(
あきかん
)
だのの
塵芥
(
じんかい
)
が汚ならしく捨ててあるんだ。
陽気な客
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
監督が石油の
空罐
(
あきかん
)
を寝ている耳もとでたたいて歩いた。眼を開けて、起き上るまで、やけに罐をたたいた。
脚気
(
かっけ
)
のものが、頭を半分上げて何か云っている。
然
(
しか
)
し監督は見ない振りで、空罐をやめない。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ブリキの
空罐
(
あきかん
)
を肩に掛けていっしょにごみ箱を
漁
(
あさ
)
りました。
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
空罐
(
あきかん
)
だの洋酒やビールの
壜
(
びん
)
だの、雑誌、新聞、ぼろ類など、一度では運びきれないほど多量な品が、月に二度ずつ出るし、それらの代価は取らず、「片つけてもらう」のだからと云って
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
外には五人の少年たちが、洗面器やバケツや
空罐
(
あきかん
)
などを持って立ってい、私を見ると一列縦隊に並んだ。先頭にいるのは「千本」の長で、かんぷりの顔も見え、みんな泥まみれのはだしであった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
罐
部首:⽸
23画
“空”で始まる語句
空
空地
空虚
空想
空洞
空腹
空家
空気
空嘯
空手