りょう)” の例文
あるいは六面体八面体十二面体の面やりょうに字句を配置してそれをぐるぐる回転するとかいうところまで行ってはどうかと思うのである。
俳句の型式とその進化 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
早池峰はやちねの西どなりの群青ぐんじゃうの山のりょうが一つよどんだ白雲に浮き出した。薬師岳だ。雲のために知らなかった薬師岳の稜を見るのだ。
山地の稜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
冷たいもの、無関心なもののみが直線でりょうをもつ。兵隊を縦列に配置しないで環状に組立てたならば、闘争をしないで舞踏ぶとうをするであろう{1}
「いき」の構造 (新字新仮名) / 九鬼周造(著)
暗礁の頂上が、磨ぎすましたように、三角のりょうをつくって、上を向いているのであった。それで、三角暗礁の名があった。
地球要塞 (新字新仮名) / 海野十三(著)
満潮および干潮にさいして漲落ちょうらくする波濤が岩石および暗礁のりょうに激して互いに衝突するためにほかならず、海水はその岩石暗礁にせきとめられて瀑布のごとく急下す
そのへやは、雷文様の浮彫にモスク風を加味した面取作りラスチック・スタイルで、三つ並びの角張ったりょうが、壁から天井まで並行なひだをなし、その多くの襞が格子を組んでいる天井の中央からは
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
竹のぎ肌になんともいえないりょう線と神経がとおっている。やれ古伊賀のヘラだの光悦茶碗のケズリがどうのといっても、しょせん、これからみれば末期の一歩てまえのものだ。
正倉院展を観る (新字新仮名) / 吉川英治(著)
〕けはしい二つのりょうを持ち、暗くて雲かげにゐる。少し名前に合はない。けれどもどこかしんとして春の底のかばの木の気分はあるけれどもそれは偶然性だ。よくわからない。みちが二つにわかれてゐる。
台川 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
〕けわしい二つのりょうち、くらくて雲かげにいる。少し名前に合わない。けれどもどこかしんとして春のそこかばの木の気分はあるけれどもそれは偶然性ぐうぜんせいだ。よくわからない。みちが二つにわかれている。
台川 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)