トップ
>
碾
>
ひ
ふりがな文庫
“
碾
(
ひ
)” の例文
もし洗えば
天日
(
てんぴ
)
で干すと
碾
(
ひ
)
きにくいから水を切って
塗物
(
ぬりもの
)
の箱へ入れて乾かすのだ。それを蒸す時は水で少し
捏
(
こ
)
ねてそれをサラサラするようにほごして蒸す。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
穀物を
碾
(
ひ
)
く臼は手で廻すのだが、余程の腕力を必要とする。一端を臼石の中心の真上の
桷
(
たるき
)
に結びつけた棒が上から来ていて、その下端は臼の端に着いている。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
内の
姐
(
ねえ
)
さんか、あらず、
傭
(
やとい
)
の婆さんか、あらず、お茶を
碾
(
ひ
)
いてる
抱妓
(
かかえ
)
か、あらず、猫か、あらず。あらず。あらず。湯島天神
中坂下
(
なかざかした
)
の松の
鮨
(
すし
)
の
忰
(
せがれ
)
源ちゃんである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
然し、昇のは
碾
(
ひ
)
き
臼
(
うす
)
の
上石
(
うはいし
)
の樣だと思ふ。そして、また、あの大きな口が一文字に延びてゐると。
泡鳴五部作:05 憑き物
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
あとで聞くと
稗
(
ひえ
)
団子だという、然もその稗は田のほうへいったとき百姓が抜き捨てたものを拾い集めて来て、自分で干し自分で
搗
(
つ
)
き、粉に
碾
(
ひ
)
いて作ったということだった。
日本婦道記:墨丸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
愛と
情
(
なさけ
)
の使者のやうに不幸な人達を訪れて𢌞る清らかな、白い、
碾
(
ひ
)
き立ての麥粉を、その名が記念してゐる失はれた少女に譬へて見ることは、美しくも
氣高
(
けだか
)
く思はれるに違ひない。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
老人を
碾
(
ひ
)
いて若者にしたというお伽話の
碾臼
(
ひきうす
)
とは確かに違った碾臼で恐しくも碾きに碾かれて来た人間の標本が、あらゆる隅々に震えていた。あらゆる家々の戸口を出入していた。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
白洲
(
しらす
)
に臨める縁先の障子は締切られて、障子の内に所司代の席を設け、座右には
茶臼
(
ちゃうす
)
が据えてある。重宗は先ず西方を拝して後ちその座に着き、茶を
碾
(
ひ
)
きながら障子越に
訟
(
うったえ
)
を聴くのであった。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
兄がモカという上等の豆を食品屋で
焙
(
い
)
ってもらって宅で先程
砕
(
つぶ
)
しましたのですから焙りたてのひきたてでございます。珈琲は
珈琲碾
(
こーひーひき
)
の器械を買って家で
碾
(
ひ
)
くのに限ります。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
余談はさておき、大岡忠相が髯を抜いたのも、板倉重宗が茶を
碾
(
ひ
)
いたのも、その趣旨は全く同一で、畢竟その心を平静にし、注意を集中して公平の判断をしようとする精神に外ならぬのである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
豆を
碾
(
ひ
)
いてながしただけでは、ただどろどろした
渾沌
(
こんとん
)
たる
豆汁
(
まめじる
)
です、つかみようがありません、しかしそこへにがりをおとすと豆腐になる精分だけが寄り集まる、はっきりとかたちをつくるのです
日本婦道記:不断草
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
試み「なるほど、玄米は非常に滋養分が多いそうで僕も試みたいと思ったけれども料理の方法が分らん。これはどうしたのだね」主人「それは粉屋へ頼んで先ず玄米を
細
(
こまか
)
く
碾
(
ひ
)
かせて、 ...
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
先ず玄米をよく
拭
(
ふ
)
いて
碾臼
(
ひきうす
)
で
碾
(
ひ
)
いて粉にして
炮烙
(
ほうろく
)
で狐色になるまで
炒
(
い
)
ります。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
碾
漢検1級
部首:⽯
15画
“碾”を含む語句
碾割
碾磑
碾臼
碾茶
碾瓦
粉碾車
珈琲碾
碾割麦
碾玉
碾石
碾穀車
碾粉車
粉碾磑
茶碾