石造せきざう)” の例文
その大きな石造せきざうの建物の中の一室——テイブルを二脚も三脚も並べた、電話の絶えず聞えて来る、クツシヨンの椅子の置いてある
アカシヤの花 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「ムヽ、れが例の山木剛造やまきがうざうの家なんか」と、石造せきざうの門に白き標札打ち見上げて、一人のツブやくを
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
この目的もくてきのためには、賢實けんじつなる石造せきざうまたは甎造せんざう恒久的宮殿こうきうてききうでん造營ざうえいすること都合つがふわるいのである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
行つても/\知らん地方ところだ。低地ひくちが高台になつて瀬の早い川が逶迤うね/\と通つてゐる処もあつた。烟突けむだしも無い小舎こやや木の枝を編むでこしらへた納屋があとになつて、立派な邸や石造せきざうの建物が見える。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
石造せきざうの波止場、木製の假橋かりばしを洗ひ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
しも太古たいこたみ地震ぢしんおそれて、石造せきざう家屋かをくつくらなかつたと解釋かいしやくするならば、そのまへに、なにゆゑにかれ火災くわさいおそれて石造せきざういへつくらなかつたかを説明せつめいせねばならぬ。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)