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痴態
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ちたい
ふりがな文庫
“
痴態
(
ちたい
)” の例文
神谷はムッとしたが、恩田のさいぜんの
形相
(
ぎょうそう
)
を思い出すと、恐ろしくて手出しができなかった。狂人の
痴態
(
ちたい
)
として見のがすほかはなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
障子をあけるなら、あけるがいいと、俺は俺の
痴態
(
ちたい
)
をそこに客観的に見るおもいで、その短いいっときの
恍惚
(
こうこつ
)
を楽しんだ。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
休暇で戦線から帰って来ている軍人たちである。めいめい自分の、そして自分だけの情婦と信じ込んでいる女が、寝台の
痴態
(
ちたい
)
において、優しく話しかける。
戦雲を駆る女怪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「いちいち挙げればきりがない。さほどな
痴態
(
ちたい
)
悪業におよびながら、いまさらなんぞ、その
白々
(
しらじら
)
しさは」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石川豊信
(
いしかわとよのぶ
)
らと並んで
頗
(
すこぶ
)
る
妖艶
(
ようえん
)
なる婦女の
痴態
(
ちたい
)
を描きまた役者絵も
尠
(
すくな
)
しとせず。然れどもこの時代には役者絵の流行既に享保元文時代の如く盛んならず、その板刻
時
(
とき
)
に
甚
(
はなはだ
)
粗雑となるの傾きありき。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
終
(
つい
)
に止みなんか、
卿等
(
けいら
)
の
痴態
(
ちたい
)
!
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
冷たい
滑
(
なめら
)
かな蝋人の肌に
惹
(
ひ
)
かれて、小説家は狂気する。老人形師は彼の恋がたきである。その
狡猾
(
こうかつ
)
な術策と戦わねばならぬ。美女は彼を魅惑し、
翻弄
(
ほんろう
)
し、あらゆる
痴態
(
ちたい
)
をつくすであろう。
「悪霊物語」自作解説
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“痴態”の意味
《名詞》
愚かな振る舞い、様子。
(出典:Wiktionary)
痴
常用漢字
中学
部首:⽧
13画
態
常用漢字
小5
部首:⼼
14画
“痴”で始まる語句
痴
痴呆
痴漢
痴者
痴人
痴情
痴愚
痴話
痴戯
痴言