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町立病院
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ちょうりつびょういん
二
年このかた、
地方自治体はようよう
饒になったので、その
管下に
病院の
設立られるまで、
年々三百
円ずつをこの
町立病院に
補助金として
出すこととなり
かくてイワン、デミトリチは
宿を
借ることも、
療治することも、
銭の
無いので
出来兼ぬる
所から、
幾干もなくして
町立病院に
入れられ、
梅毒病患者と
同室することとなった。
町立病院の
庭の
内、
牛蒡、
蕁草、
野麻などの
簇り
茂ってる
辺に、
小やかなる
別室の一
棟がある。
屋根のブリキ
板は
錆びて、
烟突は
半破れ、
玄関の
階段は
紛堊が
剥がれて、
朽ちて、
雑草さえのびのびと。