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まちやっこ
ふりがな文庫
“
町奴
(
まちやっこ
)” の例文
黙々と考え沈んでいる
町奴
(
まちやっこ
)
たちのところへ、じつに伝法な、だが、むしろぶきみなくらいに物静かな尋問の矢が向けられました。
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その晩の
切
(
きり
)
が『
花競八才子
(
はなくらべはっさいし
)
』という題で、硯友社の幹部の面々が
町奴
(
まちやっこ
)
の
伊達姿
(
だてすがた
)
で舞台に列んで自作の「つらね」を
掛合
(
かけあい
)
に渡すという趣向であった。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
と人浪を掻き分けてきた
骨節
(
ほねぶし
)
の強そうな六部姿の
町奴
(
まちやっこ
)
二人、ばらばらッと幕の中へ飛び込もうとする様子なので、客呼びの源七は慌てて二人の袖を引ッ掴んだ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おまえと息子には
屹度
(
きっと
)
、
巴里
(
パリ
)
を見せてやるぞ」と言った。
恩怨
(
おんえん
)
の事柄は必ず報ゆる
町奴
(
まちやっこ
)
風の
昔気質
(
むかしかたぎ
)
の逸作が、こう思い立った以上、いつかそれが執り行われることは明かである。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
旗本奴
(
はたもとやっこ
)
ではない。といって、
町奴
(
まちやっこ
)
では勿論ない。が、いわば
巷
(
ちまた
)
の
侠
(
きょう
)
である。町の
男伊達
(
おとこだて
)
である。喧嘩渡世という看板をあげているとおり、喧嘩なら、何でも買うのだ。何でも買う。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
それに
町奴
(
まちやっこ
)
とか云いまして
幡隨院長兵衞
(
ばんずいいんちょうべえ
)
、又は
花川戸
(
はなかわど
)
の
戸澤助六
(
とざわすけろく
)
、
夢
(
ゆめ
)
の
市郎兵衞
(
いちろべえ
)
、
唐犬權兵衞
(
とうけんごんべえ
)
などと云う者がありまして、其の町内々々を持って居て、
喧嘩
(
けんか
)
があれば
直
(
すぐ
)
に出て裁判を致し
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
旗本奴
(
はたもとやっこ
)
と
町奴
(
まちやっこ
)
、それと並び称された浪人組、衣裳も
美々
(
びび
)
しく派手を極め、骨柄いずれも立派である。その数合わして六七十人、真昼間の春の盛り場で、華やかに切り合おうというのである。
二人町奴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
青くなって
顫
(
ふる
)
え上がっている家族や奉公人の中から、平次の顔を見ると、いきなり飛出して来たのは三十前後の
恰幅
(
かっぷく
)
の立派な男、
髯
(
ひげ
)
の跡の青々とした、ただの呉服屋の番頭というよりは、
町奴
(
まちやっこ
)
銭形平次捕物控:094 死相の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一見するに、中のひとりは親分、あとのふたりはその子分と思われる
町奴
(
まちやっこ
)
ふうの三人なのでした。
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
思い切り大柄な浴衣に、
紫紺緞子
(
しこんどんす
)
へ銀糸の入った帯を派手に締め、来て見よがしの
唐犬額
(
とうけんびたい
)
という
風装
(
つくり
)
は、云わずと知れたこの時代の
町奴
(
まちやっこ
)
。薬研堀の生不動与兵衛であった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「此節急に
蔓
(
はび
)
こって来た、
町奴
(
まちやっこ
)
や
男達
(
おとこだて
)
の仕業じゃありませんか」
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あっしも
男達
(
おとこだて
)
とか
町奴
(
まちやっこ
)
とか人にかれこれいわれる江戸っ子、いうな、いいませぬと男に誓って頼まれたからにゃ、鉛の熱湯をつぎ込まれましても名は明かされませぬッ」
右門捕物帖:26 七七の橙
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
あッしとても人から
男達
(
おとこだて
)
だの
町奴
(
まちやっこ
)
だのとかれこれ言われて、仮りにも
侠気
(
おとこぎ
)
を看板にこんなやくざ稼業をしておって見れば、決して死ぬのを恐ろしいとも怖いとも命に未練はねえんですが
旗本退屈男:09 第九話 江戸に帰った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
奴
常用漢字
中学
部首:⼥
5画
“町奴”で始まる語句
町奴風