生煮なまに)” の例文
茶碗ちやわん三葉みつば生煮なまにえらしいから、そつと片寄かたよせて、山葵わさびきもののやうに可恐おそろしがるのだから、われながらおがさめる。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
學校がくかうにての出來できぶりといひ身分みぶんがらのいやしからぬにつけても弱虫よわむしとはものなく、龍華寺りうげじ藤本ふぢもと生煮なまにえのもちのやうにしんがあつてやつくがるものもりけらし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし、こんな生煮なまにえの言葉をそのまま鵜呑うのみにされても困る。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と星野さんが未だ生煮なまにえらしいのを挾んで実地例証をした。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)