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片膚
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かたはだ
ふりがな文庫
“
片膚
(
かたはだ
)” の例文
トウン——と、足拍子を踏むと、膝を敷き、落した肩を左から
片膚
(
かたはだ
)
脱いだ、淡紅の薄い
肌襦袢
(
はだじゅばん
)
に膚が透く。眉をひらき、瞳を澄まして、向直って
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
数秒の後、まぶしい
深紅
(
しんく
)
の光が
弧
(
こ
)
を
描
(
えが
)
いてあらわれたと思うと、数十本の櫟の幹の
片膚
(
かたはだ
)
が、一せいにさっと
淡
(
あわ
)
い黄色に染まり、無数の動かない電光のような
縞
(
しま
)
を作った。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
いで夏の日の眠気覚しに、泰助が
片膚
(
かたはだ
)
脱ぎて、悪人
儕
(
ばら
)
の毒手の
裡
(
うち
)
より、下枝
姉妹
(
きょうだい
)
を救うて取らせむ。証拠を探り得ての上ならでは、
渠等
(
かれら
)
を捕縛は成り難し。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生
(
なま
)
ぬるい風のような
気勢
(
けはい
)
がすると思うと、左の肩から
片膚
(
かたはだ
)
を脱いだが、右の手を
脱
(
はず
)
して、前へ廻し、ふくらんだ胸のあたりで着ていたその
単衣
(
ひとえ
)
を
円
(
まる
)
げて持ち、
霞
(
かすみ
)
も
絡
(
まと
)
わぬ姿になった。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生
(
なま
)
ぬるい
風
(
かぜ
)
のやうな
気勢
(
けはひ
)
がすると
思
(
おも
)
ふと、
左
(
ひだり
)
の
肩
(
かた
)
から
片膚
(
かたはだ
)
を
脱
(
ぬ
)
いたが、
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
脱
(
はづ
)
して、
前
(
まへ
)
へ
廻
(
まは
)
し、ふくらんだ
胸
(
むね
)
のあたりで
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
た
其
(
そ
)
の
単衣
(
ひとへ
)
を
丸
(
まろ
)
げて
持
(
も
)
ち、
霞
(
かすみ
)
も
絡
(
まと
)
はぬ
姿
(
すがた
)
になつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
膚
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
“片膚”で始まる語句
片膚脱