トップ
>
火炙
>
ひあぶ
ふりがな文庫
“
火炙
(
ひあぶ
)” の例文
燃えさかるストオヴの前へ立ったまま、精神的にも肉体的にも、
火炙
(
ひあぶ
)
りにされている先生へ、何度も
生意気
(
なまいき
)
な笑い声を浴びせかけた。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
主人のごとくこんな
利目
(
ききめ
)
のある薬湯へ
煮
(
う
)
だるほど
這入
(
はい
)
っても少しも功能のない男はやはり醋をかけて
火炙
(
ひあぶ
)
りにするに限ると思う。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大逆管野某女が獄中より出せる状に、房州の某処にて石地蔵の頭を
火炙
(
ひあぶ
)
りにせしが面白かりし由を記せるなど考え合わすべし。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そこにドクトルの屍体があって、
火炙
(
ひあぶ
)
りになろうとしていらあネ。それでは犯人のために都合が悪かろうじゃないか。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「可哀そうな尼さんだな」——「
火炙
(
ひあぶ
)
りにされるって云うじゃないか」——「血を絞られるのは未だいいよ。楽に夢のように死ねるからな」——「火炙りとは恐ろしい」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
夜昼さえ分たぬ土の
牢
(
ろう
)
に、みげる弥兵衛を苦しめた
鼠
(
ねずみ
)
も、実は悪魔の
変化
(
へんげ
)
だったそうである。弥兵衛は元和八年の秋、十一人の宗徒と
火炙
(
ひあぶ
)
りになった。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
仏陀
(
ほとけ
)
の教えこそ
讃美
(
ほむ
)
べきかな。それは
隠遁
(
いんとん
)
の教えではない。
勇往邁進
(
ゆうおうまいしん
)
建設の教えだ。禁慾の教え、克己の教えだ。……
妾
(
わし
)
はすぐに殺されよう。妾はすぐに
火炙
(
ひあぶ
)
りに成ろう。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
天主
(
てんしゅ
)
のおん教を奉ずるものは、その頃でももう見つかり次第、
火炙
(
ひあぶ
)
りや
磔
(
はりつけ
)
に
遇
(
あ
)
わされていた。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
火炙
(
ひあぶ
)
りにしろ! 火炙りにしろ!」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは
折角
(
せっかく
)
の
火炙
(
ひあぶ
)
りも何も、見そこなった
遺恨
(
いこん
)
だったかも知れない。さらにまた伝うる所によれば、悪魔はその時大歓喜のあまり、大きい書物に
化
(
ば
)
けながら、
夜中
(
よじゅう
)
刑場に飛んでいたと云う。
おぎん
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
炙
漢検1級
部首:⽕
8画
“火”で始まる語句
火
火鉢
火傷
火照
火箸
火影
火焔
火桶
火光
火酒