激痛げきつう)” の例文
それは、足の裏を切ったまま砂浜にあがると、その切目きれめの中に小さい砂がはいりこんで、やがて激痛げきつうをおこすことになる。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ごみの不意をくったので、さすがの竹童もかわすひまなく、グワンと血管けっかんの破れるような激痛げきつうをかんじてぶッたおれたが、とっさにまくらもとへおいて寝た、般若丸はんにゃまるを抜きはらって
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、一代は退院後二月ばかりたつとこんどは下腹の激痛げきつううったえ出した。寺田は夜通しぜてやったが、痛みは消えず、しまいには油汗あぶらあせをタラタラ流して、痛い痛いと転げ廻った。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
夜を徹して予が病躯びょうくあたためつつある真最中なりしなり、さて予は我に還るや、にわかにまた呼吸の逼迫ひっぱく凍傷とうしょうなやみ、眼球の激痛げきつう等を覚えたり、勿論もちろんいまだまなこを開くことあたわざるのみならず
足の骨が折れそうになり、激痛げきつうが全身を稲妻いなづまのようにしただけであった。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)