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潤
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うるおい
ふりがな文庫
“
潤
(
うるおい
)” の例文
大きな
潤
(
うるおい
)
のある眼で、長い
睫
(
まつげ
)
に包まれた中は、ただ一面に真黒であった。その真黒な
眸
(
ひとみ
)
の奥に、自分の姿が
鮮
(
あざやか
)
に浮かんでいる。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いずれ
趣致
(
おもむき
)
なきはなけれど、ここのはそれらとは
状
(
さま
)
異
(
かわ
)
りて、巌という巌にはあるが習いなる
劈痕
(
さけめ
)
皺裂
(
ひびり
)
の
殆
(
ほとん
)
どなくして、光るというにはあらざれど底におのずから
潤
(
うるおい
)
を含みたる美しさ
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
小女
(
こむすめ
)
は散歩でもしているように、ゆっくりした足どりで歩いて来て、山西と
擦
(
す
)
れちがったが、擦れちがう拍子に、眉と眼の間の晴ばれとした黒い
潤
(
うるおい
)
のある眼で山西の顔をうっとりと見た。
水魔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
苦痛と恐怖でぐいと握り締められた私の心に、
一滴
(
いってき
)
の
潤
(
うるおい
)
を与えてくれたものは、その時の悲しさでした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつ見ても
蒼褪
(
あおざ
)
めた顔をして、大きな
潤
(
うるおい
)
のある眼でちょっと
挨拶
(
あいさつ
)
をするだけである。影のようにあらわれては影のように下りて行く。かつて足音のした試しがない。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しだいしだいに雨の方に片づいて、片づくに従って糸の間が
透
(
す
)
いて見える。と云っても見えるものは山ばかりである。しかも草も木も至って
乏
(
とぼ
)
しい、
潤
(
うるおい
)
のない山である。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
高柳君は
潤
(
うるおい
)
のない眼を膝から移して、中野君の幸福な顔を見た。この顔しだいで返答はきまる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
潤
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
“潤”を含む語句
浸潤
湿潤
潤沢
利潤
谷崎潤一郎
潤色
潤滑油
秀潤
刪潤
温潤
潤筆料
潤味
徳潤
辻潤
迂潤
豊潤
潤州
潤澤
岡本潤
鮮潤
...