くち)” の例文
旧字:滿
其中そのうちにお腹もくちくなり、親の肌で身体もあたたまって、とろけそうない心持になり、不覚つい昏々うとうととなると、くくんだ乳首が抜けそうになる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
あの粟餅あわもちのふかしたてだの、白玉焼の餡子あんこのはみ出した処なんざ、今思出しても、つばが垂れる。小僧、立つな立つな見ていて腹はくちくならない、と言われた事さえあるんだから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
結い了う頃は最う午砲ドンだけれど、お昼はおなかくちくて食べられない。「あたししてよ」、という。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)