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涎
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よだ
ふりがな文庫
“
涎
(
よだ
)” の例文
土間に、置きすててある
笈
(
おいずる
)
を、老人はひっくり返して、あわただしく
検
(
あらた
)
めた。赤い
涎
(
よだ
)
れ
掛
(
かけ
)
をした地蔵如来、幾つもの巾着、
守札
(
まもりふだ
)
、椿の花——
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(牛の肉の中で一番上等が
此
(
こ
)
の舌だといふのは
可笑
(
をか
)
しい。
涎
(
よだ
)
れで
粘々
(
ねばねば
)
してる。おまけに黒い
斑々
(
ぶちぶち
)
がある。歩け。こら。)
種山ヶ原
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
先生は
涎
(
よだ
)
れをたらして、この壮観を見、これなら
贅沢
(
ぜいたく
)
な冬がすごせるぞ、と思った。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
いつも派手な色の、ま新しい
涎
(
よだ
)
れかけを、必ず二三枚は胸にあてていられる。村の
蓮
(
はす
)
っぱな娘たちが、前かけや、羽織裏などのともぎれで作っては、人知れずお
供
(
そな
)
えするからである。
南方郵信
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
汗と
涎
(
よだ
)
れが哀愁と憤怒の表情のまま氷りついた顔皮を、びっしょり濡らしていた。
十姉妹
(新字新仮名)
/
山本勝治
(著)
▼ もっと見る
(牛の肉の中で一番
上等
(
じょうとう
)
が
此
(
こ
)
の舌だというのは
可笑
(
おか
)
しい。
涎
(
よだ
)
れで
粘々
(
ねばねば
)
してる。おまけに黒い
斑々
(
ぶちぶち
)
がある。歩け。こら。)
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
鉋音
(
かんなおと
)
を止めて、職人たちは、後ろを見た。板小屋の横の板束の上に、清水一角は、
涎
(
よだ
)
れをたらして、寝ていた。
無宿人国記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
肩を
揺
(
ゆ
)
すぶると、上り
框
(
がまち
)
にしゃがみ込んで、踏み板へ、
涎
(
よだ
)
れを垂らしていた内蔵吉は
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そらの魚の
涎
(
よだ
)
れはふりかかり
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“涎(
唾液
)”の解説
唾液(だえき、saliva)は、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液である。水、電解質、粘液、多くの種類の酵素からなる。ヒトでは、正常なら1日に1-1.5リットル程度(安静時唾液で700-800ミリリットル程度)分泌される。成分の99.5%が水分であり、無機質と有機質が残りの約半分ずつを占める。とくに病的に分泌量の多い場合、流涎症(りゅうぜんしょう)ということがある。
(出典:Wikipedia)
涎
漢検1級
部首:⽔
10画
“涎”を含む語句
垂涎
竜涎香
涎掛
涎懸
涎垂
涎衣
龍涎香
唾涎
鼻涎
飢涎
風涎
血涎
羨涎
竜涎
涎食
涎臭
涎繰
涎液
涎流
大涎
...