比良目ひらめ)” の例文
かつお中落なかおちうまくッて、比良目ひらめは縁側に限るといやあ、何ですか、そこに一番滋養分がありますか、と仰有おっしゃるだろう。衛生ずくめだから耐らない。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
潜航艇のペリスコープは比良目ひらめの眼玉の真似である。海翻車ひとでの歩行は何となくタンクを想い出させる。ガスマスクを付けた人間の顔は穀象こくぞうか何かに似ている。
烏瓜の花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
比良目ひらめは蛋白質壱割九分、脂肪四厘七毛あり、比良目とかれいは魚類中最も消化の良きものなり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
露店ろてんが並んで立ち食いの客を待っている。売っているものは言わずもがなで、食ってる人は大概船頭せんどう船方ふなかたたぐいにきまっている。たい比良目ひらめ海鰻あなご章魚たこが、そこらに投げ出してある。
忘れえぬ人々 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それはたい比良目ひらめであった。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
機械文明が発達するほどいっそうそうなるから妙である。それでわれわれはこれらの動物を師匠にする必要が起こって来るのである。潜航艇のペリスコープは比良目ひらめの目玉のまねである。
からすうりの花と蛾 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
お魚のグレーと申してたいとかすずきとかさばとかぼらとかかれいとか比良目ひらめとか川魚かわうおならばこいとかますとかやまめとかさけとかいうようなもので肉に膠分にかわぶんの多い種類を択びまして海魚うみうおならば背から開いて骨を抜いて塩胡椒を
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
比良目ひらめ梅干酢うめぼしず 春 第八十六 豚料理
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)