歩板あゆみいた)” の例文
……で、すこしきしをさがつたところで、中流ちうりう掛渡かけわたした歩板あゆみいたわたると、其處そこ木小屋きごやはしらばかり、かこひあらい「獨鈷とつこ。」がある。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
立籠む霧がえんなる小紋を描いたような影が、私の袖から歩板あゆみいたと立って、立つと思うと、つかつかと舞台へ上った。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
かれ木曾きそ棧橋かけはしを、旅店りよてんの、部屋々々へや/″\障子しやうじ歩板あゆみいたかべつてわたつてた……それ風情ふぜいである。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お悦と取ったのも、四人席を他と半ば分けて、歩板あゆみいた附着くッついた出入に近い処であった。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)