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標札
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ひょうさつ
ふりがな文庫
“
標札
(
ひょうさつ
)” の例文
「それじゃ、つい近所ですな。訳はありません。帰りにちょっと寄って見ましょう。なあに、大体分りましょう
標札
(
ひょうさつ
)
を見れば」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「僕の
標札
(
ひょうさつ
)
を門へ出させて戴きたいんです。名刺に書くのに、大谷方では如何にも
居候
(
いそうろう
)
のようで具合が悪いというんです」
求婚三銃士
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そのうちに僕等は
薄苔
(
うすごけ
)
のついた
御影石
(
みかげいし
)
の門の前へ通りかかった。石に
嵌
(
は
)
めこんだ
標札
(
ひょうさつ
)
には「
悠々荘
(
ゆうゆうそう
)
」と書いてあった。
悠々荘
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ええと、この辺じゃと云われたが、どうも門へ
標札
(
ひょうさつ
)
も出してないというようなあんばいだ。一寸たずねますが、ひなげしさんたちのおすまいはどの辺ですかな。」
ひのきとひなげし
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
医師の
標札
(
ひょうさつ
)
の出ているドアの
呼
(
よ
)
びりんをおせば、
知識
(
ちしき
)
があり
慈愛
(
じさい
)
深い人にかならず会うことができる。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
門口へ指田流の
標札
(
ひょうさつ
)
をかけて一節切の指南を始めましたが、品の
善
(
い
)
い芸は習う人は稀でございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
かの女が分譲地の
標札
(
ひょうさつ
)
の前に
停
(
とま
)
って、息子に対する
妄想
(
もうそう
)
を
逞
(
たくま
)
しくして
居
(
い
)
る間、逸作は二間
程
(
ほど
)
離れておとなしく直立して居た。おとなしくと言っても逸作のは
只
(
ただ
)
のおとなしさではない。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「
標札
(
ひょうさつ
)
を見てすぐ思いだしたわけです」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「実は私はつい御近所で——あの向う横丁の
角屋敷
(
かどやしき
)
なんですが」「あの大きな西洋館の倉のあるうちですか、道理であすこには
金田
(
かねだ
)
と云う
標札
(
ひょうさつ
)
が出ていますな」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
古いくぐり門や
黒塀
(
くろべい
)
は少しもふだんに変らなかった。いや、門の上の葉桜の枝さえきのう見た時の通りだった。が、新らしい
標札
(
ひょうさつ
)
には「
櫛部寓
(
くしべぐう
)
」と書いてあった。
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その白い
岩
(
いわ
)
になったところの入口に、〔プリオシン
海岸
(
かいがん
)
〕という、
瀬戸物
(
せともの
)
のつるつるした
標札
(
ひょうさつ
)
が立って、向こうの
渚
(
なぎさ
)
には、ところどころ、
細
(
ほそ
)
い
鉄
(
てつ
)
の
欄干
(
らんかん
)
も
植
(
う
)
えられ
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ところが祭壇の下オーケストラバンドの右側に、「異教徒席」「異派席」という二つの陶製の
標札
(
ひょうさつ
)
が出て、どちらにも二十人ばかりの礼装をした人たちが座って居りました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もう鼠色のペンキの
剥
(
は
)
げかかった、狭苦しい玄関には、車夫の出した
提灯
(
ちょうちん
)
の明りで見ると、
印度
(
インド
)
人マティラム・ミスラと日本字で書いた、これだけは新しい、瀬戸物の
標札
(
ひょうさつ
)
がかかっています。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「だって櫛部寓って
標札
(
ひょうさつ
)
が出ているじゃないか?」
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
標
常用漢字
小4
部首:⽊
15画
札
常用漢字
小4
部首:⽊
5画
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