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榻
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こしかけ
ふりがな文庫
“
榻
(
こしかけ
)” の例文
倒るゝ如くに路の邊の
榻
(
こしかけ
)
に倚りて、灼くが如く熱し、
椎
(
つち
)
にて打たるゝ如く響く頭を
榻背
(
たふはい
)
に持たせ、死したる如きさまにて幾時をか過しけん。
舞姫
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
許多
(
あまた
)
の
石碣
(
せきけつ
)
並び立てり。二碑の前に
彫鏤
(
てうる
)
したる
榻
(
こしかけ
)
あり。是れポムペイの士女の郊外に
往反
(
ゆきかへり
)
するときしばらく憩ひし處なるべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
空も、山も、湖水も、
総
(
すべ
)
て暗い、不確な灰色の中に漂っている。その
輪廓
(
りんかく
)
をはっきり見ようと、目に力を入れるのが、愉快である。女は
榻
(
こしかけ
)
に腰を掛けて薄明りの中を見詰めている。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
榻
(
こしかけ
)
に坐ったまま板縁の地図へずっと手をさしのばして、そのこまかく図してあるところより
蜘蛛
(
くも
)
の
網
(
い
)
のように画かれた線路をたずねながら、かなたこなたへコンパスを歩かせているうちに
地球図
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
倒るゝ如くに路の
辺
(
べ
)
の
榻
(
こしかけ
)
に倚りて、灼くが如く熱し、
椎
(
つち
)
にて打たるゝ如く響く
頭
(
かしら
)
を
榻背
(
たふはい
)
に持たせ、死したる如きさまにて幾時をか過しけん。
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
人々は生面の客あるを見ても、絶て怪み
訝
(
いぶか
)
ることなく、我に
榻
(
こしかけ
)
を與へて坐せしめ、我に
盞
(
さかづき
)
を與へて飮ましめ、
肴
(
さかな
)
せんとて
鹽肉團
(
サラメ
)
をさへ
截
(
き
)
りてくれたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
大通事は板縁の上、西に
跪
(
ひざまず
)
き、稽古通事ふたりは板縁の上、東に跪いた。縁から三尺ばかり離れた土間に
榻
(
こしかけ
)
を置いてシロオテの席となした。やがて、シロオテは獄中から
輿
(
こし
)
ではこばれて来た。
地球図
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
倒るるごとくに
路
(
みち
)
の
辺
(
べ
)
の
榻
(
こしかけ
)
に
倚
(
よ
)
りて、
灼
(
や
)
くがごとく熱し、
椎
(
つち
)
にて打たるるごとく響く
頭
(
かしら
)
を
榻背
(
とうはい
)
に持たせ、死したるごときさまにて
幾時
(
いくとき
)
をか過しけん。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
想ふに當時この
榻
(
こしかけ
)
に坐するものは、碑碣のあなたなる林木郊野を見、往來織るが如き街道を見、又波靜なる入江を見つるならん、今は唯だ
窓牖
(
さういう
)
ある
石屋
(
せきおく
)
の處々に立てるを望むのみ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
榻
漢検1級
部首:⽊
14画
“榻”を含む語句
臥榻
脚榻
迎我譲榻去
榻背
榻子
石榻
陶榻
禅榻
牀榻
座榻
一榻
長榻
今日鬢絲禅榻畔
褥榻
茶煙禅榻
茶榻
円榻
脚榻釣
榻列
竹榻
...