をさ)” の例文
彼の心に、鍵盤キイの上ををさのやうに馳けめぐつてゐる白い手が、一番に浮かんだ。それに続いて葬場でヴェールを取り去つた刹那の白い輝かしい顔が浮んだ。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
その板の間の片隅にはたが置いてありました。私が表の方から古い大きな門を入つて玄關前の庭に遊んで居りますと、母が障子の影に腰掛けて錯々せつせをさの音をさせたものでした。
路にをさおとの高く聞ゆる家ありければまなこを転じて見るに、花の如き少女むすめありてを用ゆること甚だはし、わが蓬莱曲の露姫が事を思ひ出でゝなつかしければ、能く其おもてを見んとするに
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
われとなくをさの手とめしかどうた姉がゑまひの底はづかしき
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ちゆうちゆうぱたぱた、そのをさひろひ。
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
をさみだ
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
影かすかなり星のをさ
草わかば (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
をさの糸さへ
極楽とんぼ (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
なかではとんからをさおと
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もしやわれをさにありせば
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
大きなをさを振るたび
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
絶えずをさ燃え、乱れうつ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
をさ遠音とほねを聞かめやも
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
花哆囉呢はなとろめんをさの音。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
をさのはやしに
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
をさのはやしに
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
夕ぐれをさ
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
をさ
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)