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桶伏
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をけふせ
と
認めて
有故安五郎は此兩三日
桶伏の
恥辱に
逢無念至極に思ひ
晝夜寢もやらず居る處成ば文を
謝斷しが
煩惱の犬に
追れ
猶懲ずまに忍び通ひける
中或夜若い者共の目に
懸り
引捕へられ
桶伏にぞせられける是は
据風呂桶を
伏其上へ大いなる石を
上鐵砲を
引拔其穴より
僅に食物を
尋ね
探せしに
行方知れざれば此は
必定桶伏にしたる石川安五郎が
爲業に相違有まじと人々言居ける所に
大門番の重五郎が
阿部川の
河原にて何者にか切殺され
死骸は河原に有之との事なれば此は
渠は番人の事ゆゑ
白妙を