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晴上
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はれあが
不思議なほど
濃紫に
晴上った大和の空、晩春四月の
薄紅の華やかな絵の
如な太陽は、
宛ら陽気にふるえる様に暖かく
黄味な
光線を
注落とす。
九月の
二十日前後に、からりと
爽かにほの
暖かに
晴上つた
朝、
同じ
方角から
同じ
方角へ、
紅舷銀翼の
小さな
船を
操りつゝ、
碧瑠璃の
空をきら/\きら/\と
幾千萬艘。
二の烏 道理かな、
説法かな。お
釈迦様より間違ひのない事を云ふわ。いや、又お
一どのの指環を
銜へたのが悪ければ、
晴上つた雨も悪し、ほか/\とした陽気も悪し、
虹も悪い、と云はねば成らぬ。