昼飯ひるはん)” の例文
旧字:晝飯
午後二時ごろ、お昼飯ひるはんをたべに、麻布あざぶ竜土軒りゅうどけんへ行き、清子は井目せいもくをおいて、泡鳴と碁を二回かこんだが、二度とも清子がけた。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
またおそらくは、昼飯ひるはんについて無言の欲求を増して行ったに違いない。なぜなら、普通の昼飯時は、もうとうに過ぎていたのだ。
二人ふたりは、こういって、昼飯ひるはんべに、おのおののいえかえりました。そして、やがてまた二人ふたりは、そこにやってきて、せっせと、ゆきだるまをつくっていました。
雪だるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
万作はこの山を越えて隣の国へ行かうと思つて三里ばかり山路やまみちを登つたと思ふと、お昼飯ひるはんを食べなかつたものですから、おなかいてもう一歩もあるけなくなりました。
蚊帳の釣手 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
お勢は気分の悪いを口実いいだてにして英語の稽古けいこにも往かず、只一間にこもッたぎり、音沙汰おとさたなし。昼飯ひるはんの時、顔を合わしたが、お勢は成りたけ文三の顔を見ぬようにしている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ぐず/″\して晴れ間を待っているうちに丁度午刻過ひるすぎになって雨が上りましたから、昼飯ひるはんを食べて其処を立ちましたなれども、本街道を通るのもきず持つすねでございまするから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
為めに呼吸促迫し、更に今朝こんちょう浦幌にて僅に粥二椀を喰したるままにて、豊頃にては昼飯ひるはんを喰せざるを以て、追々空腹を覚え、殊に歩行は遅くして、三時頃に至り彼の小屋に着したり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
昼飯ひるはんの時も榮子は目をふたいで食べた。お照が叱ると
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
手は掛るが皆此方こちらでやって置くが、一ヶの住職を頼んで置きますが、お前ナア余り早く来ると此方で困るから、昼飯ひるはんでも喰ってからそろそろ出掛け、夕飯ゆうはんは此方で喰う気で来なさい
昼飯ひるはんべてから、またあとをつくろうね。」
雪だるま (新字新仮名) / 小川未明(著)
藤原喜代之助も朝飯あさはんを食べて文治郎の家へ参り、お町の様子を文治郎に聞くと、心掛も良し、女も良し、結構だと云うから、昼飯ひるはんを食べて暑うございますから涼しい処へでも参ろうと云う処へ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)