昼間ぴるま)” の例文
旧字:晝間
じいやなどはいつぞや御庭の松へ、はさみをかけて居りましたら、まっ昼間ぴるま空に大勢の子供の笑い声が致したとか、そう申して居りました。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「おさむらいのが、まっ昼間ぴるま、どうどうと、びんぼうどっくりをさげて、いものにくるとは、おどろいたな。」
「真っ昼間ぴるまです。旦那あ、あっしも神妙にしたんですから、なるべく、人通りのねえ所を歩いておくんなせえ。——こんな姿は、可愛い女にゃ、見せたくねえ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しげさん。もし、しげさんは留守るすかい。——おやッ、天道様てんとうさまへそしわまで御覧ごらんなさろうッて昼間ぴるま、あかりをつけッぱなしにしてるなんざ、ひどぎるぜ。——ているのかい。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
なんせいつやらは夜おそうもありましたし、それにあんな訳で人の着物借り着してましたし、その日イは明るい昼間ぴるまのことですのんで、紺の上衣うわぎに白セルのパンツ穿いてるのんが
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
が、今もまだはいっている、これにはふだんまっ昼間ぴるまでも湯巻ゆまき一つになったまま、川の中の石伝いしづたいに風呂へって来る女丈夫じょじょうぶもさすがに驚いたと言うことです。
温泉だより (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まえさん、どこへくんだよ。昼間ぴるまッからお見世みせけてったんじゃ、お客様きゃくさま申訳もうしわけがないじゃないか。太夫たゆうさんとこへお見舞みまいくなら、れてからにしとくれよ。——ようッてば
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
昼間ぴるま六区ろっくへ出かけたんだ。——
一夕話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)