救助たすけ)” の例文
こゑわめこえあはれ救助たすけもとむるこゑは、すさまじき怒濤どとうおと打交うちまじつて、地獄ぢごく光景ありさまもかくやとおもはるゝばかり。
忽ち天井裏に物音して、救助たすけを呼ぶねずみの声かしましく聞えしが。やがて黄金丸のかたわらに、一匹の鼠走り来て、ももの下に忍び入りつ、救助たすけを乞ふものの如し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
現在その兄が人殺しとも知らず、綿々たる怨みの声で、こう救助たすけを呼ぶのであった。
村井長庵記名の傘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
同一おなじ処でうごめく処へ、宰八の声が聞えたので、救助たすけを呼ぶさえ呻吟うめいたのであった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
併し最初の此不幸は、意外な物の救助たすけに依って、不思議にも恢復とりかえす事が出来た。
高島異誌 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ほかでもない、櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさこの急難きふなん報知ほうちして救助たすけもとめるのだ。』
くらしたが、救助たすけひとえなかつた。