放逸はういつ)” の例文
歴史の方ではジェイムズ・ヘボンのことを何と云はうとも、私の意見では彼こそ、この手を與へてもいゝ放逸はういつな、剽悍へうかんな野武士といふ氣がいたしますわ。
是等の者はすべて遊惰いうだ放逸はういつなる人間の悪習を満足せしむるが為に存するものなるか。もし然らんには、人生は是等のすべての美なくして成存することを得べし。
晩唐ばんたう一代いちだい名家めいか韓昌黎かんしやうれいに、一人いちにん猶子いうし韓湘かんしやうあり。江淮かうくわいよりむかへて昌黎しやうれいやかたやしなひぬ。猶子いうしとしわかうして白皙はくせき容姿ようしあたか婦人ふじんごとし。しかおこな放逸はういつにして、いさゝかまなぶことをせず。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)